スギ花粉症の対策:Tレグ細胞を増やそう!

私は、高校生の頃からの筋金入りの花粉症。

「第二世代抗ヒスタミン薬」と言われる「アレグラ」などの薬も、以前の薬よりは、副作用が少ないのですが、やはり十分効く感じがしません。飲み続けるとやっぱり鼻の奥が乾いて血が出て辛くて。春の間中、マスクを着用しています。本当は、一番、緑がまぶしい季節に思いっきり山を歩いたり、一日中、ガーデニングをしていたいのですが。

4歳まで、家畜と共に暮らす山奥の田舎育ちだったのに・・・

昨年4月、NHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」をみて感銘を受け、その後、書籍化された本も購入しました。こちらです。

オハイオ州のアーミッシュという村では、農民は、家畜と共に暮らす自給自足の生活をしていて、アレルギーを発症する人はほとんどいないそうです。ドイツの教授がこの村の人を調査した結果、アレルギーを抑える「Tレグ細胞」が一般より35%も多く、家畜と触れ合うことで「Tレグ細胞」が増えて、アレルギーにならない、と結論づけたそうです。

幼少期に家畜が出す細菌を吸うとTレグ細胞が増えるのではないかと推測されてました。確かに、うちの田舎育ちの両親は花粉症ではありません!私は、吸い方が足りなかったのかな・・・

Tレグ細胞は、花粉症のTレグ細胞、ピーナッツアレルギーのTレグ細胞、小麦アレルギーのTレグ細胞etc.と物質ごとに専門の細胞があることが、マウス実験で確かめられています。

ともあれ、私の場合は
スギ花粉症のTレグ細胞を増やせばよいことはわかりました!

ただし、
残念なことに、現実には今のところ、Tレグ細胞をすぐに増やすような良い方法はないのです。急に、家畜と一緒の生活を始めてもTレグ細胞が増えるまでに何年もかかるようですし、サプリメントなども販売されていません。

唯一、Tレグ細胞を増やすアプローチで現実的なのは、2014年に保険適用された「舌下免疫療法」でしょうか。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉エキスを少しづつ舌下に投与するという方法。注射でないので痛くないですね!毎日継続する必要があって、しかも2年くらいかかるらしいのですが。
WHO(世界保健機関)は、この「舌下免疫療法」が、安全で完治が望める唯一のアレルギー治療と認めています。

忙しかった仕事も一段落して、これしかない!と思った私は、今年の夏、家の近くで「舌下免疫療法」を実施しているという耳鼻科に問い合せました。その結果、冬から春の花粉症の時期にその病院で(対症)治療をした後、花粉の時期が終わった6月ごろから始められるそうなのです。
1年待たないといけなかったんですね。
来年こそ、始めたいと思っています。

でも、本音は、早くもっとTレグ細胞を増やす手軽な良い治療法ができてほしい。

昨年4月の「世界一受けたい授業」では、東京理科大学がマウスで行った研究で、昆布を食べると乳酸菌が増えて、食物アレルギーに効果のある腸のTレグ細胞が増える、というのが紹介されたそうですし、
ほかにもネットを見ていたら、Tレグ細胞を増やす腸内細菌を発見したという、こんな研究成果もみつけました。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20101224-2/
“免疫を抑制する細胞を増やす腸内細菌を発見-炎症性腸疾患やアレルギー疾患の予防・治療への新たな可能性-”

科学技術振興機構(JST)の基礎研究事業の一環で東京大学医学部の研究成果です。Tレグ細胞自体を生産する細菌ではなくて、Tレグ細胞の生産を強力に誘導する細菌、「クロストリジウム属菌」を見つけたというもの。やはりマウス実験で検証されています。

Tレグ細胞自体も増やしたいですが、Tレグ細胞の増殖に貢献するような腸内細菌もあるみたい!?
これからの花粉の季節、舌下免疫療法始める前に、さしあたって昆布やいろいろな乳酸菌をたくさんとって運動もして、腸内環境を整えておこうと思います。